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2026年9月9日水曜日

Antigravity(Google)を使ってみた — ファイル間開発の便利さと制限の壁

Antigravity(Google)を使ってみた — ファイル間開発の便利さと制限の壁

チャット欄で1ファイルずつコードを作っていた私が、Antigravityで複数ファイルを同時に編集できる体験をして、そしてレートリミットの壁にぶつかるまで。

GoogleのAntigravity(アンチグラビティ)というAI開発ツールを使ってみた体験を書きます。2026年9月時点で私が実際に使って感じた良かった点と、困った点を正直にお伝えします。感想ベースなので、公式情報と照合しながら書いていますが、あくまで個人の体験です。

この記事はこんな人向け:
  • Antigravityって何?と気になっている人
  • ChatGPTやClaudeでコードを書いているが、ファイル間の整合性が大変な人
  • 無料枠でAI開発ツールを試してみたい人
画面に表示されたカラフルなプログラミングコード

Photo by Markus Spiske on Pexels

Antigravityとは — 一言で言うと

AntigravityはGoogleが2025年11月に公開したAI開発ツールです。一言で言うと「AIが複数のファイルをまたいで開発できるツール」です。

ChatGPTやClaudeのチャット画面でコードを書いたことがある人なら分かると思うのですが、通常は1つのチャット画面で1つのファイルを作るのが基本です。例えば「HTMLファイルを作って」と頼むと、チャット欄にコードが表示されます。それを手動でコピーしてファイルに貼り付けます。次に「CSSファイルも作って」と頼むと、また別のコードが表示されます。

問題は、これらのファイル同士の整合性です。HTMLで書いたクラス名とCSSで書いたクラス名が合っているか、JavaScriptの関数名とHTMLのidが一致しているか — これらを自分で確認しながら作業を進める必要があります。ファイルが増えれば増えるほど、この作業が大変になります。

Antigravityは、この「ファイル間の整合性」をAIが自動で管理してくれます。複数のファイルを同時に監視しながら、整合性を保ったまま開発を進めてくれます。これが一番の特徴であり、私が一番驚いた点でした。

ポイント:Antigravityは「エージェント型」の開発ツールです。チャットAIが1つの質問に1つの答えを返すのに対し、エージェント型は「タスクを投げると、自律的に複数のファイルを編集しながら完成させる」仕組みです。

使おうと思ったきっかけ — Geminiの有料プランから

私がAntigravityを使い始めたきっかけは、Gemini(GoogleのAI)の有料プランに加入したことでした。

当時、ChatGPT、Claude、Geminiの3つを比較していて、Geminiが確か3ヶ月ぐらい無料で使えるキャンペーンをやっていた記憶があります(※正確には、Google AI Proの14日間無料トライアルや、コミュニティで報告される30日間の無制限トライアルなど、複数の無料枠があったようです。私の記憶では3ヶ月だったのですが、公式には確認できませんでした)。とにかく、Geminiの有料プランに加入したところ、Antigravityというツールが使えることを知りました。

調べてみると、Antigravity以外にもJules(Googleの別のAIツール)などいくつかツールが使えるようです。その中でAntigravityが一番便利そうだと思った理由は、先ほど書いた「ファイル間をまたいで開発できる」点でした。

それまで私は、ChatGPTやClaudeのチャット欄で1つのファイルずつコードを作っていました。「HTMLを作って」「次はCSSを作って」「次はJavaScriptを作って」と1つずつお願いして、それぞれのコードを手動でファイルに貼り付けていました。ファイル同士の整合性を合わせるのが本当に大変だったのを覚えています。

Antigravityなら、AIがファイル間の整合性を自動で見てくれながら開発できる。これを知った時は「視界が一気に広がった」ような感覚でした。これはぜひ使ってみようと思いました。

実際に使ってみて — 良かった点

実際に使ってみて、一番良かったと感じたのは、やはりファイル間の整合性をAIがきちんと見てくれる点でした。

それまでは、1つのファイルを作って、別のファイルを作って、両方を見比べながら「このクラス名合ってるかな」「この関数の引数、正しいかな」と自分で確認する必要がありました。これがAntigravityだと、AIがすべてのファイルを把握した上で編集してくれます。HTMLを修正すれば、関連するCSSやJavaScriptも自動で更新されます。この体験は、チャット欄で1ファイルずつ作っていた時とは全く別の世界でした。

AIアクションのメニューが表示されたコード画面

Photo by Daniil Komov on Pexels

もう一つ便利だと感じたのは、YouTubeのURLを貼って解析できる点です。AntigravityはGoogle系のツールなので、Geminiと同じくYouTubeの動画URLを貼ると、その内容を解析してくれます。例えば「このYouTube動画のチュートリアル通りに作って」と頼むと、動画の内容を理解した上でコードを書いてくれます。これは他のツールではできない(またはやりにくい)機能です。

ただ、正直に言うと「Antigravityじゃないとできないこと」は、現状ほとんどないと思っています。Cursor(別のAI開発ツール)にもファイル間編集機能はありますし、ChatGPTやClaudeでも工夫すれば複数ファイルの管理はできます。Antigravityの独自性は「Gemini有料プランにバンドルされている」「Google系のサービス(YouTube等)と連携できる」あたりが主な違いかな、と感じています。

困った点 — レートリミットの壁

ここからが本題です。Antigravityを使っていて一番困ったのが、レートリミット(使用制限)です。

Antigravityには複数のAIモデルが使えます。2026年9月時点で、Gemini 3.7 Flash、Gemini 3.6 Flash、Gemini 3.5 Flash、Gemini 3.1 Pro、Claude Sonnet 4.6、Claude Opus 4.6、GPT-OSS-120bが利用可能です(公式ドキュメントで確認)。Flash系は軽量モデルで、使用制限の消費が遅いのが特徴です。

私は最初、使用制限の消費が遅いFlashをメインに使っていました。ところが、簡単な修正 — 例えば画像のボタンの配置を変える、画像を入れる場所を調整する、角の丸みを合わせる等 — をお願いしても、何回指示しても全く表示が変わらないことが何度もありました。

そこで、当時使えたClaude Sonnetに変えてみたところ、1回か2回で修正されました。「これはいい」と思って、制限を気にせずClaude Sonnetを使い続けたのですが、10回も使わないうちに、1時間も経たないうちに制限が来て、Claudeが使えなくなりました。

注意:Antigravityの制限は「5時間ごとの制限」と「週ごとの制限」の二段構造になっています(公式フォーラムで確認)。5時間制限を超えると週次制限に引っかかり、最悪の場合は5〜7日間待たされることがあります。Claude等の高性能モデルは消費が早いため、特に注意が必要です。

Claudeが使えなくなった後は、Gemini Proを使ってみましたが、Proでもあまり直らない。最終的にはFlashしか使えない状態になりました。当時は5時間ごとの制限だったのですが、この制限がどんどん厳しくなり、最終的には1日の制限、さらに1週間の制限が入るようになりました。思うように開発できず、かなり苦労したのを覚えています。

この体験から学んだのは、「高性能モデル(Claude Sonnet/Opus等)は便利だが、制限消費が早い」ということです。公式情報でも「Claude Opusは最も良い結果を出すが、クレジット消費が最も早い」と指摘されています。簡単な作業はFlashで、複雑な作業だけClaudeを使う、という使い分けが必要だと感じました。

画面に表示されたPythonコードのクローズアップ

Photo by Pixabay on Pexels

他のツールとの比較 — どう使い分けているか

Antigravityと他のツール(ChatGPT、Claude、Cursor等)を比べて、どういう場面でどれを使うか。正直に言うと、今のところ「Antigravityじゃないとできないことはほとんどない」と感じています。

ファイル間編集ならCursorでもできます。YouTube解析はGemini(チャット版)でもできます。強いて言えば、Geminiの有料プランに加入しているなら、Antigravityは追加費用なしで使える(Google AI Pro/Ultraにバンドルされている)ので、そこがメリットです。

ただ、Antigravityは「エージェント型」のツールなので、タスクを丸投げして自律的に進めてもらう用途には向いています。「この機能を作って」と投げると、AIが自分で計画を立てて、複数ファイルを編集して、完成させてくれます。チャットAIのように1回ずつ指示を出す必要がないのは、作業の負担が減ります。

逆に、ちょっとした質問や、1つのファイルの修正なら、ChatGPTやClaudeのチャット画面の方が早いです。Antigravityを起動して、プロジェクトを開いて、エージェントに指示を出すという手間があるので、小さな作業には重いと感じます。

Antigravityを試すべき人

私の体験を踏まえると、Antigravityは以下のような人におすすめです。

1. Geminiの有料プランに加入している人。AntigravityはGoogle AI Pro(月額約3,000円)またはUltraプランにバンドルされています。既にGemini有料プランを使っているなら、追加費用なしで使えるので、試さない手はありません。

2. 複数ファイルを使う開発をしている人。1つのHTMLファイルだけで完結するならチャットAIで十分ですが、HTML+CSS+JavaScript等の複数ファイルを管理する必要があるなら、Antigravityのファイル間整合性機能が役立ちます。

3. エージェント型ツールを試してみたい人。「ChatGPT(チャットAI)→ Cursor(開発ツール)→ Antigravity(エージェント型)」という流れで、エージェント型ツールを体験してみたい人。Antigravityの無料枠(Individual プラン)でも、すべてのモデルにアクセスできるので、触りとしては十分です。

ポイント:Antigravityの無料枠(Individual プラン)は、Claude Sonnet 4.6やClaude Opus 4.6も含めてすべてのモデルにアクセスできます。ただし、制限は厳しめ(5時間+週次の二段構造)。無料で本格的なエージェント型ツールを試せるのは、他にあまりありません。

結論 — 触りとしてはいいが、制限に注意

Antigravityを使ってみた感想をまとめます。

良かった点:ファイル間の整合性をAIが自動で管理してくれる。チャット欄で1ファイルずつ作っていた時と比べると、作業効率が劇的に上がりました。エージェント型の開発体験は、一度味わうとチャットに戻りたくなくなります。

困った点:レートリミットが厳しい。特にClaude等の高性能モデルを使うと、あっという間に制限が来ます。5時間制限→週次制限とエスカレートする仕組みなので、使い方を間違えると1週間開発できなくなります。Flashで節約しながら使うのが現実的なラインです。

正直な感想:「Antigravityじゃないとできないことはほとんどない」と感じています。Cursor等の代替ツールでも類似のことはできます。ただ、Gemini有料プランに加入しているなら追加費用なしで使えるので、エージェント型ツールの入門としては悪くない選択肢だと思います。

AI開発ツールは進化が早く、半年後には状況が変わっている可能性が高いです。Antigravity自体も2025年11月の公開以降、何度も仕様が変更されています。だからこそ、特定のツールに固執するのではなく、「まず触ってみる」「自分に合うか確認する」という姿勢が大切だと思います。無料枠で試して、合わなければ別のツールに移ればいいだけです。

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